徒然。

理想と現実と

Have to do と Want to do

最近色々思うことがあって、短い文字数じゃまとまらない気がするのでこちらに書こうかなって。

これからここに書くことは、人に言いたいことでもあるし、自分への自戒でもあること。誰を責めるわけでもないけど、現状を肯定するわけでもないこと。

あくまで私の意見なので、これが絶対って訳では無いけど、いろいろ紆余曲折した上で現時点の終着点として思ったこと。内容自体はとても偉そうに思えるかもしれないけど、自分自身全然それが出来ていないこと。

 

今の世の中、いわゆる人生のレールみたいなものは昔に比べると徐々に薄れてきて、私たちの選択肢は格段に増えた。やりたいことを見つけてそれに打ち込める環境が、社会の価値観が変化することによって整ってきている。

だからといって、完全に自由かと言われればそんなことはない。義務というものは憲法によって規定されているし、義務まで行かずともやる必要のあることは多い。勉強なんていうのは最たるもんだ。中学までは義務として定められているし、そこから先もそれなりに生きていくにはある程度の勉強が必要だ。

ただ今からする話は、多くの人間が生きていくために必要な「やるべきこと」の話(勉強やら仕事やら)ではなく、生きていくために必要ではないものの、自由な選択肢の中で必要になってくるものについての話。

 

やりたいことをやるっていうのはとても楽しい。好きなことをやってる時はとっても幸せ。だけどずっとずっと幸せなわけじゃない。ゲームだって古文書だってジャズだって、全部全部そう。

ゲームで例えるなら、何か倒さなきゃいけない敵が居たとして、ぴゃっと倒せればいいんだけどこちらのレベルは弱いからキャラを集めてレベリングしていかなきゃいけない。本当は物語を進めたいのにやってるのは物語の進行とはさほど関係ない雑魚キャラの処理。(ちなみに私はこれが面倒でいつも気付いたらゲームを投げている。)

こんな風に、ゲームひとつでもやりたいことを達成するためにやらなきゃいけないことが絶対についてくる。やりたいことだけやるわけにはいかない。大抵のことはそう。どんなにやりたいことがあったってそれをやるためにはやりたくないのにやらなきゃいけないことばかり。

そしてこんな風に冗長な平仮名で延々と書くのは読む側として混乱するので漢字で表そう。「やらなきゃいけないこと」は「基本」で、「やりたいこと」は「発展」って置き換えるのがおそらく妥当だろう。

 

基本と発展の釣り合いって本当に難しい。基本がなきゃ発展には辿り着けない。だけど、一方で発展形が見えてない人、つまりやりたいことがない人にはやるべきこと、つまり基本が見えてこない。見えてこないからイマイチ熱を持って出来ない。

基本と発展って順序的には基本→発展のように思えるけど実は逆で、発展、つまり目標が見えた上で基本を積んでいかないとなんの意味もないことになってしまう。

 

最初から目標が用意されているものは良い。それに向かって基本をこなせばいいだけだから。難しいのは、何も用意されていなくて着の身着のままその世界に飛び込んでやりたいことを模索すること。

イクラで例えるとわかりやすいかな。明確な目標なんかなくて、とりあえず木とか倒しながら色んなものを作っていく。マイクラの中でも最初から「○○を作りたい」って決まってる人と、なんもわからなくてとりあえず始めてやってるうちに面白いことややりたいことを見つけていく人がいる。でもそれはあくまでマイクラをプレイ出来る環境が与えられて初めて出来ること。

 

……遠回しに言うのも面倒になってきたので直球に言います。

私は最初からそれなりに明確な目標を持ってジャズ研に入ったしその目標は未だにほとんど変わってない。1年〜2年の夏頃まではハードバップなんかやらずにとにかくやりたいことを押し進めていくのが目標に近づく一番の近道だと思ってたし、やりたいことだけやる方が楽だったし楽しかった。やりたくないことをやらされるのは苦痛だったし意味が無いと思ってた。だけどいつまで経っても全然上手くならないし幅も広がらない。なんでか色々考えた結果、ほかの人たちに比べて圧倒的に見てる世界が狭いことに気づいた。気付いてからはなるべくこうした方がいいみたいな意見は聞くようにしたし、やりたくないのに半強制的にやらされてたことがやりたいこととリンクしてることに気付いたし、やれるものの幅も広がってて無理だなって諦めることが減った。嫌いな音源もマストと言われてるものは1回だけでも聞くようにした(未だにどうしても無理なものはアルバムの途中でリタイアしてしまうんだけど)。

そして自分が割とこういうスパルタな環境で育って、しかもそれがそれなりに有用だと気付いてしまったので、今の状況はちょっと甘すぎないかという気持ちがしている。やりたいことが見つからないなら見つかるまで基礎を積み上げればいい。それでも見つからないなら無理に居続けなくていい。

やりたいことがあることは大事だけれど、そればっかりやってたら大して成長しないしそればっかりやることは全然近道じゃない。むしろやりたくない事やる方が近道。できない事も課題も見つけられるし、それはやりたいことをやるために足りない事で、やりたいことばっかやってたら見えなかったものだから。

私が上手いと思うジャズ研の人はみんな本当に基礎からやってる。今全然違うジャンルのジャズやってる人ですら。だから私も基礎をやらなきゃってとっても焦ってる。この焦りをみんなには味わって欲しくないからずっとしつこくコピーしろバップ聞けやれって言ってきた。自戒って最初に言ったのはこれ。

 

冬合宿、ただ「やりたい」だけじゃなくて、どうせならやりたくないことをとことんやって欲しい。私も1バンドしかなくて結構時間があるのでいつも避け続けてた地道で嫌な練習をひたすらやろうと思ってる。

あと、老害蛇足アドバイスとして、やりたいことやるのはある程度上手くなった方が絶対に楽しいです。出来ないことが減るから(無くなるとは言ってない)。

 

みんなが表面上だけじゃなくて、心からジャズ愛せる合宿になるといいな!