徒然。

理想と現実と

【備忘録】死んだばあちゃんの夢

覚えておきたくて、朝の5時にここに記します。

 

まず現実の話。

大好きなばあちゃんは今年の春に突然亡くなった。

少しボケも入りはじめてたらしい───と祖母の娘の母は言う───し、結構足腰も痛めていたけど、88歳としてはとても「元気」な状態で突然いなくなってしまった。大往生という理想的な死の形で。

最期は自分の住んでる団地のお部屋のトイレで、遺品整理なんかで訪れてトイレに行く時に私はよく「現場行ってくる」などと冗談を言ったものだ。まぁそんなことはおいておいて。

とにかくばあちゃんが大好きだった。それこそ今でも夢に見たあと起きて泣いてしまうくらい。

だって小さい頃は共働きの両親に変わって私達姉弟を育ててくれていたのだから。

 

そんなばあちゃんの夢を見た。

私が見たなんでもない夢を、なんてことないけど覚えておきたくて、以下に記す。

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深夜に彼氏の家でテレビを見ていたら、私の携帯に知らない番号がかかってきた。

ひとまず出ずにその番号を検索すると、「○○病院の番号+病室の番号」と出てくる。

夢の中の私はここで「ああ、ばあちゃんと同じ病室の中村さんかな」と急に思い至った。

「もうばあちゃんは死んじゃったのにどうしたんだろう」とも思った。

けどこれは出なきゃな、と考えてその電話に出ると、

中村さん「もしもし、ケイコさん(ばあちゃんの名前)のお孫さんよね。お元気してるかしら」

私「はい、元気です。すみません、ご要件というのは…」

中村さん「いえね、ケイコさんがご家族に会いたいって言うからね、私がお節介でかけちゃったのよ、今変わるから待っててね」

と喋った後、保留のメロディーが流れはじめた。私は「もうばあちゃんも死んじゃったのにこれは…中村さんもかなりやばいな…」などと思いながらそのメロディーを聞いていた。

しばらくすると保留の音声が途切れて、電話の向こうから声がした。

「もしもし、(私の名前)ちゃん?元気しとった?ごめんな〜こんな夜中に。中村さんが強引にかけるっちゅうからばあちゃんも止めてんけどな〜。まぁでもせっかくやし久しぶりに顔でも見せぇな。ばあちゃんも待ってるでな、ほなもう夜も遅いし切るな、じゃあね」

その後少ししてまた中村さんが変わって「じゃあよろしくね、私も待ってるわね」とだけ言って電話は切れた。

夢の中の私は「中村さんがばあちゃんの真似して電話してきた……中村さんもマジでやばいぞ……」と思って両親に事の顛末を記したLINEを送ろうとして、

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ここで目が覚めた。

まず前提として、ばあちゃんは一切入院していない。かかりつけの医者は足腰の先生で、内臓系はどこも悪くなかったからだ。

なので当然「中村さん」という同じ病室のマジでやばいばあちゃんも存在しない。これは夢が作り上げた存在だ。

それから私がばあちゃんの死を夢の中で既に受け入れていたことについても、起きて少しびっくりした。

飼っていた猫が死んだ時には、1年くらい夢に見ても普通に生きてると思いながら猫と遊び、起きてから死んだ事実に気付いてよく泣いたものだったから。(今はさすがに夢に見ても「死んだのにまた見てるな…」と思いながら別の猫だと思って接している)

猫と違い、ばあちゃんは流石に葬式とか遺品整理とか納骨とか、色々死後の行事をしたおかげで心にもある程度区切りが着いていたのだろう。

 

でも、夢で聞いた「中村さんがばあちゃんを真似た声」は明らかにばあちゃんの声だった。よくLINEで軽く電話する時のそれだった。夜中に突然かけてくるのも同じ。

夢が私に、ばあちゃんの声を聞かせてくれたんだなと思った。

ばあちゃんの声は残せなかったけど、この夢のことは書いたらいつでも思い出せるから、書いておこうと思った。

そしていま、このブログを久しぶりに更新している。

 

ちなみに起きてすぐばあちゃんの声を聞けたことが嬉しくて、もう聞けないことが悲しくて泣いていたら、隣で寝ていた彼氏がすぐに起きて慰めてくれて、一人でない時にこの夢を見られて良かったとも思った。昨夜は喧嘩して酷い言葉を浴びせたのを心底反省したし、起こしてしまって申し訳ない気持ちである。

あと薬を飲んでもあまり引くことがなかった生理痛が、夢から覚めてから引いていた。

最近仕事が忙しく、ストレスで泣きたかったけどいまいち泣けなかった自分が、久しぶりに号泣出来た。

などなど、夢の副作用もあった。

しんどいこと全部重なって限界だった自分のことを、ばあちゃんが慰めてくれたのかな。

そうとしか思えないな。

ありがとうね、ばあちゃん。どうぞ安らかに。

私はもう一眠りして、今日の仕事に備えます。